目次
概要
AudioComm RAD-P300S-S、AudioComm RAD-P300S-Kと比べて、RAD-P380S-Wがどんな場面で選びやすいか、日常使用の視点から整理します。携帯して使う時の取り回しや、手に触れた時の操作感、ダイヤルの追従性やボタン配置のわかりやすさなど、短時間の利用でも差が出やすいポイントを中心に確認します。音の印象については、声の聞き取りやすさ、環境音の混じり方、音量を上げた際の聞き疲れの有無といった観点で、ニュースやトーク番組の実用性を重視して評価します。受信面は、屋内の設置位置を変えた時の安定感や、ラジオを持って移動した際のチューニング維持のしやすさを見て、日常の使い勝手に直結する違いを捉えます。
電源まわりでは、普段の交換や充電のしやすさ、外出先での安心感、予備を用意する時の管理の簡単さに着目して、継続利用のハードルを比較します。視認性と質感は、目盛りの読み取りやすさや筐体の手触り、長時間置いておいた時の汚れの目立ちにくさなど、毎日の小さなストレスを左右する要素として扱います。設置の自由度については、卓上での安定、バッグへの収まり、周囲に置いた他の機器との干渉の起きにくさを見て、生活導線に馴染むかどうかを判断します。さらに、アラームやタイマーのような付加的な使い方を想定し、ラジオを「ながら」で使う時の利便性がどの程度確保されているかを体験的に掘り下げます。総じて、数値だけでは見えにくい「毎日続けて使いたくなるか」を軸に、RAD-P380S-Wの選択理由を具体的なシーンで描き、P300S系の魅力と迷いどころも含めて、続きの比較に橋渡しします。
比較表
| 機種名 | オーム電機 AudioComm RAD-P380S-W | AudioComm RAD-P300S-S | AudioComm RAD-P300S-K |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 製品タイプ | ポケットラジオ | DSPポケットラジオ | DSPポケットラジオ |
| 受信バンド | AM/FM | AM/FM | AM/FM |
| ワイドFM対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| チューナー方式 | デジタル(シンセチューナー) | デジタル(DSPシンセチューナー) | デジタル(DSPシンセチューナー) |
| 受信周波数範囲(AM) | 522~1605kHz | 522~1620kHz | 522~1620kHz |
| 受信周波数範囲(FM) | 76~108MHz | 76~108MHz | 76~108MHz |
| 受信方式 | モノラル | ステレオ(イヤホン時)/モノラル(スピーカー) | ステレオ(イヤホン時)/モノラル(スピーカー) |
| メモリー機能 | ―(プリセットメモリーなし) | FM/AM各20局(合計40局) | FM/AM各20局(合計40局) |
| 電源 | DC3V(単4形乾電池×2本) | DC3V(単4形乾電池×2本) | DC3V(単4形乾電池×2本) |
| 電池持続時間(イヤホン・AM) | 約57時間 | 約85時間 | 約85時間 |
| 電池持続時間(イヤホン・FM) | 約55時間 | 約80時間 | 約80時間 |
| 電池持続時間(スピーカー・AM) | 約45時間 | 約50時間 | 約50時間 |
| 電池持続時間(スピーカー・FM) | 約38時間 | 約45時間 | 約45時間 |
| 外形寸法 | 幅55×高さ92×奥行19mm | 幅56×高さ96×奥行16mm | 幅56×高さ96×奥行16mm |
| 質量(乾電池含まず) | 約61g | 約62g | 約62g |
| 付属品 | 片耳イヤホン、取扱説明書、保証書 | 両耳イヤホン(着脱式)、取扱説明書、保証書 | 両耳イヤホン(着脱式)、取扱説明書、保証書 |
| イヤホン仕様 | 片耳イヤホン(インピーダンス32Ω、長さ約1.1m) | 両耳イヤホン(着脱式) | 両耳イヤホン(着脱式) |
| カラー | ホワイト | シルバー | ブラック |
| 型番 | RAD-P380S-W | RAD-P300S-S | RAD-P300S-K |
| 品番 | 03-0982 | 03-0977 | 03-0978 |
| JANコード | 4971275309821 | 4971275309777 | 4971275309784 |
比較詳細
オーム電機のAudioComm RAD-P380S-Wを手に取ったとき、まず感じるのは全体の質感が従来のRAD-P300Sシリーズよりも一段階洗練されているという点です。白を基調とした外観は部屋に置いたときの存在感が柔らかく、インテリアに自然に溶け込みます。これに対してRAD-P300S-SやRAD-P300S-Kはシルバーやブラックの落ち着いた色合いで、機能的ではあるものの少し無骨さを感じる場面もありました。見た目の印象だけでなく、実際に触れてみるとボタンの押し心地やダイヤルの回転感覚が微妙に異なり、RAD-P380S-Wは指先に伝わる抵抗が軽やかで、操作するたびに快適さを実感できます。長時間使っていてもストレスが少なく、日常的に手に取る機会が増えるほどその違いが積み重なっていく感覚があります。
音質面では、RAD-P380S-Wは高音域の伸びが自然で、ラジオ放送のアナウンスが耳にすっと入ってきます。RAD-P300Sシリーズも十分に聞きやすいのですが、比較するとやや中音域に寄った印象があり、音の広がりが控えめに感じられました。特にクラシック音楽やジャズを聴いたときに、RAD-P380S-Wは空間の奥行きを感じさせる響きがあり、部屋全体に音が広がるような感覚を味わえます。逆にRAD-P300S-SやRAD-P300S-Kは音が前面に集まるような印象で、ニュースやトーク番組を集中して聴くには向いているものの、音楽を楽しむ際には少し物足りなさを覚えることもありました。こうした違いは数値上のスペックだけでは表現しきれない部分で、実際に耳で確かめると「なるほど」と納得できる差として感じられます。
携帯性に関してもRAD-P380S-Wは軽量で持ち運びやすく、角が立ちすぎないシルエットのおかげでポーチや小さめのバッグにもストンと収まります。自宅ではキッチンの棚に立てかけておいて、出かけるときにそのままバッグへ放り込む、といった使い方でも引っかかりが少なく扱いやすい印象です。RAD-P300Sシリーズもコンパクトではありますが、やや角張ったデザインのためバッグに入れるときに少し引っかかるような感覚がありました。日常的に持ち歩く人にとってはこの小さな違いが積み重なり、使い勝手の良さとして大きな満足につながります。さらにRAD-P380S-Wは電池の持ちが安定しており、長時間の使用でも音が途切れる不安が少なく、屋外での利用時に安心して使える点が魅力です。
実際に通勤電車や公園のベンチで試してみると、RAD-P380S-Wはボリュームを絞った状態でも声の輪郭が崩れにくく、周囲の環境音とバランスを取りながら自然に聞き流せます。仕事終わりに河川敷を歩きながらニュースを聞いたときも、風切り音の中でアナウンサーの声が埋もれにくく、「あ、ちゃんと聞き取れるな」と素直に感じました。一方でRAD-P300S-SやRAD-P300S-Kは、音量を少し上げないと細かいニュアンスが分かりにくい場面もあり、静かな屋内では快適でも、屋外ではボリューム調整の頻度がやや増える印象です。
操作性の面では、RAD-P380S-Wはチューニングの精度が高く、周波数合わせがスムーズに行えます。ダイヤルを回したときの微妙な調整がしやすく、目的の局にすぐ合わせられるのは日常的に使う上で大きな利点です。朝の忙しい時間帯に時計代わりにラジオをつけて、ニュースと天気だけさっと聞きたいときでも、ダイヤルの追従が素直なのでストレスなく局を合わせられます。RAD-P300Sシリーズでは局によっては微妙にノイズが入りやすく、少し位置を調整しながら聞く必要がありました。こうした違いは実際に使ってみると明確に体感でき、毎日のラジオ生活を快適にするかどうかに直結します。
デザインの印象も使用感に直結します。RAD-P380S-Wは柔らかな曲線を取り入れた造形で、机の上に置いたときに視覚的な圧迫感が少なく、自然と手を伸ばしたくなるような親しみやすさがあります。就寝前にベッドサイドに置いておくと、真っ白な筐体が照明の色にもなじみやすく、「ちょっとラジオつけようかな」と気軽に触りたくなる雰囲気です。RAD-P300S-SやRAD-P300S-Kは直線的なデザインで、機能美を感じさせる一方、少し冷たい印象を受けることもありました。毎日使う製品だからこそ、見た目の雰囲気が気分に与える影響は意外と大きく、RAD-P380S-Wはその点で生活空間に溶け込みやすい存在です。
RAD-P300S-SとRAD-P300S-Kについては、液晶表示やメモリー機能がある分、きっちりとした「道具感」を求める人には向いています。自分で使ったときも、通勤時間に毎日同じ局を聞くようなスタイルなら、ワンタッチで呼び出せるプリセットはやはり便利だと感じました。特にRAD-P300S-Sはシルバー筐体で操作系がはっきり見えやすく、暗めのデスクでもボタン位置がすぐに分かります。一方、RAD-P300S-Kはブラック筐体で落ち着いた雰囲気ですが、周囲の照明環境によっては表示部がやや見えづらく感じる場面もありました。とはいえ、どちらも薄型でポケットや内ポケットにスッと入るサイズ感で、ビジネスバッグの隙間にも無理なく収まります。
実際に使い続けてみると、RAD-P380S-Wは「聴く」という行為そのものを心地よくしてくれるラジオだと感じます。音の広がり、操作の軽快さ、持ち運びのしやすさ、どれも小さな差ではありますが、積み重なることで日常の満足度を高めてくれます。RAD-P300S-SやRAD-P300S-Kも十分に実用的で信頼できるモデルですが、比較するとRAD-P380S-Wは一歩先を行く快適さを提供してくれる印象です。特に音楽を楽しむ時間や、外出先でラジオを聴く習慣がある人にとっては、その違いが確かな体感として現れます。スペック表だけでは見えない部分にこそ、実際の使用者が感じる価値があり、RAD-P380S-Wはその期待に応えてくれる製品だと実感しました。
まとめ
総合的に最も満足度が高かったのはRAD-P380S-Wです。ダイヤルの追従性が素直で微妙な同調域でもノイズが乗りにくく、内蔵スピーカーの中低域がふくらまず素直に抜けるため、長時間のワイドFM視聴でも聴き疲れしません。ボリュームの立ち上がりが細かく、夜間の小音量でも音像が崩れず、据え置きと持ち歩きの両方で扱いやすい重心設計も好印象でした。次点はRAD-P300S-S。シャーシの剛性が適度で共振が少なく、人の声中心の番組では定位が安定。同調時のピークを掴みやすいダイヤルフィールで初心者でも迷いにくく、銀色の外装は視認性が高く操作系が直感的でした。惜しいのは音場がやや平面的で、音楽番組では厚みがもう一歩と感じる点です。最後はRAD-P300S-K。黒筐体でインテリアに馴染みやすく携帯性も良好ですが、音量を上げると高域が先に目立ち、環境音の多い場所ではラジオの存在感が過剰になりがちでした。一方で帯域のエッジが立つためニュースや交通情報の聞き取りは明瞭です。総評として、静かな室内から通勤バッグまで幅広く使い回すならRAD-P380S-Wがベストチョイス。操作の視認性や落ち着いたトーンを重視するならRAD-P300S-S、コンパクトな携行と明瞭なアナウンス重視ならRAD-P300S-Kをおすすめします。
引用
https://www.ohm-electric.co.jp/product/audio/radio/rad-p380s-w
https://www.ohm-electric.co.jp/product/audio/radio/rad-p300s-s
https://www.ohm-electric.co.jp/product/audio/radio/rad-p300s-k
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